貸倒引当金とリース計算【簿記】vol.7

よく忘れたりあやふやになってしまう要点をまとめました。

※「減損損失」は損金不算入のため

繰延税金資産法人税等調整額

引当金

本質:引当金とは適正な期間損益計算のために、将来の費用・損失としてあらかじめ見越計上した時の貸方項目である。

 

Q.企業会計原則、注解18の引当金はどのように分類されるか?

引当金は性質の違いから評価性引当金と負債性引当金に分けられ、負債性引当金はさらに、債務性の観点から債務たる引当金と債務でない引当金とに細分される。

 

Q.地震損失引当金は設定してよいか、企業会計原則・注解18に規定する計上要件を取り上げよ。

A.認められない。なぜなら引当金は将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し発生の可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合に計上されるものであり、地震損失引当金は当該計上要件すべてを満たさないからである。

 

Q.修繕に係る費用を引当金を用いて処理するのではなく、当該固定資産の評勘定を用いて処理する見解とは。

A.当該見解は修繕を要する分の固定資産の価値は減じているものとみて、その価値の減少額を費用として計上するものである。

すなわち減価償却に反映されない固定資産の価値の減少を価値費消事実の発生に基づいて当期の費用として計上し、その結果として固定資産の評価勘定としての貸方項目を計上するというものである。この場合、修繕費は支出時に資本的支出として処理される。

 

貸倒引当金

貸倒見積高

以下の3点を合計して求める。

1一般債権:貸倒実績率法

2貸倒懸念債権財務内容評価法又はキャッシュフロー見積法

3破産更正債権等:財務内容評価法

CF見積法

実際の貸付額と本来の貸付額との差額を損失として計上する。

所持している社債において返済が厳しく緩和条件を飲むことした場合の期末時に行う貸倒引当金の計算がある。

例問:

元金5,000円の社債(返済予定日・翌年期末時、利息は毎期末・4.5%)

緩和後は、返済日+2年延長・利率3.5%となる。

また現価係数は、4.5%の時(1年0.96 2年0.92 3年0.88)とする。

※緩和後の3.5%の現価係数は使わない。

解答:

・将来キャッシュフローは、

5,000×3.5%+5,000×3.5%+5,000+5,000×3.5%=5,525

利息は1年で175円。

・現在価値を求める

175×0.96+175×0.92+5,175×0.88=4,883

・貸倒見積高は5,000-4,883=117

※将来キャッシュフローではなく元金で引く。

 

 

リース取引

オペレーションリース:通常の賃貸借取引に係る方法

ファイナンス以外。

ファイナンスリース:通常の売買取引に係る方法

ノンキャンセラブル(解除することが出来ない又は準ずる)、フルペイアウト(現在価値基準か経済耐用年数のいずれかを満たす)の要件を満たすもの。

・取得原価はリース料総額から含まれている利息相当額を控除した額

・利息相当額の配分は原則利息法(毎年4月1日に前払いのとき、初回リース料は全額元金の返済となる。

【リース資産及び負債の計上】

所有権移転FLでは貸し手の購入価額、所有権移転外ではリース料総額の割引現在価値(リース物件の維持管理費用は控除すること。)か貸し手の購入価額の低い方を計上する。