相続 【事務職員能力検定試験】vol.11
前回
kouninnkaikeishi.hatenablog.jp
今回は相続です。
相続の一般的効力(民896)
相続の開始=被相続人の死亡
相続放棄は、被相続人の(死亡地)ではなく最終住所地(民883)
相続範囲(民896.897)例外として、法的地位(一身尊属性。例えば身元保証、年金自給者)と祭祀財産
・異母、異父兄弟は両親を同じくする兄弟の2分の1
相続回復請求権:表見相続人が知って5年、経過20年。(民法884条)
特別受益(贈与・遺贈)
持戻し、相続分を算出(903条)
免除の意思表示をした際はその意思に従う。(20年婚姻状態の場合、居住用建物土地は推定される。)
例:婚姻・養子縁組のための贈与(結婚式費用は含まない。)、商売・教育生計の資本贈与
寄与分権利者
寄与分は共同相続人のなかで、特別の貢献をした人は増額相続ができる。(民904条)
但し給料報酬を受け取っていた場合はなし。
知ったときから6カ月、開始から1年以内。(民1050条)
代襲相続(民887条)
被相続人より先に死亡した時。
代襲相続は直系は無限に続くが、兄弟姉妹は1世代のみ。
・相続欠格者(891条に制限列挙)に子供がいるときは代襲相続。推定相続人の廃除には家裁への申立
数次相続
被相続人が死亡した後、相続人が放棄や限定承認等をしないまま死亡。
※法定相続情報証明書を活用すると良い(法務局へ法定相続人又は士業が申出人。手数料無料。)
遺産分割協議
【留意事項】
相続人全員(欠けたら無効)。行方不明者は不在者財産管理人を定め参加させる。
胎児は出生後に参加させる。
包括的受贈者(民990条)がいる場合は、その者も含める。
【管轄】
調停:相手方の住所・合意
審判:被相続人の最後の住所・合意
遺言(民960-963条)
遺言は方式に従わないと無効
15歳から可能
後見人は行使できず、事理弁識能力を回復して行う場合には医師2人以上の立会
【方式】
普通方式(968-970条):自筆証書・公正証書・秘密証書
特別方式:危急時・隔絶地
【遺言書がない場合】
法定相続人がいないと、相続財産管理人業務を経て国庫へ
内縁配偶者はもらえない
遺言者が事業者である場合、スムーズな継承を目的として特定の継承者に相続させるのは有効
【法定遺言事項】
・処分:相続分指定(902)遺産分割方法の指定や禁止(908)包括・特定遺贈(964)
・人:遺言による推定相続人の廃除(893)廃除事由(892)
・身分:認知(781)執行者を指定した方が望ましい。未成年後見人の指定(839)
・執行者:指定や委託(1006)・執行者の復任権(1016)報酬等(1018)
※付言事由:法定外のため法的拘束力はない
【遺留分】
配偶者と第2順位まで最低保証される。
割合は(1042)配偶者又は直系尊属は全体の2分の1、直系尊属のみは3分の1。
時効は知って1年、開始から10年で除斥される。
【遺言執行者】
遅滞なく遺言書の検認を行う。(1004)公正証書は例外。
また相続財産の目録を作成して相続人に交付する。(1011)
報酬(1021):執行に関する費用は相続財産の負担。規定がない場合は、当事者との協議又は家裁へ審判申立
・認知は10日以内。成人した子が認知することも可。
・不動産の場合、受贈者・司法書士との共同作業
・登録免許税:遺贈(100分の20)相続(100分の4)所有権移転・売買(100分の20だが、軽減措置有)
・未登記建物の遺贈は保存登記・農地遺贈で包括の時は農地法の許可不要。
・ゴルフ会員権:譲渡禁止特約に注意
・自動車(引渡しまで善管注意義務):普通車は運輸支局・軽自動車は軽自動車検査協会
・貸借権:相続人以外の遺贈は貸借人の許可必要(民612)
・死亡保険金の受取人の変更は被保険者の同意必要(45)
執行者の廃除請求(893)
推定相続人が家裁に10日以内。
また1019条に執行者の(死亡)解任・辞任について記載。